李貞徳は、1992年にアメリカのシアトル市ワシントン大学で博士号を取った後、間もなく歴史言語研究所に入所しました。主要な研究テーマは、ジェンダーの視点から分析した、中国中古の法律制度や医療文化です。法律制度研究の代表的著作には、『お姫様の死(公主之死)』があります。この著書の中で、筆者は中国の漢唐時期において、父系家族倫理が法制化された過程、およびその階級、エスニック・グループ、ジェンダーとの折衝や交渉の状況を検討しました。また、ジェンダー医療史のテーマについては、著書『女性の中国医療史』があります。これは、宋代以前の婦人科の知識の形成と、それに参与した女性の健康管理者を分析したものです。また、中国医学書にみる喜びや楽しみの記述を通して、感情に関する論理、いわゆる「感情の歴史」についても考察を試みています。
近年、統合型プロジェクトへの参加をきっかけとして、研究範囲の開拓に努め、その研究対象を東アジアに拡大し、時代の範囲を近現代にまで伸ばすようになりました。台湾史に関するテーマにも着手し、例えば、近代女性医療宣教者の紹介や、この70年間あまりの女性司法関係者のキャリアコースとその社会的意義に関する研究を行っています。また、中国史の分野では、20世紀の衛生教育における、性・生殖・ジェンダーといった課題を検討しているほか、漢方薬のなかで女性に大切なものとされる、薬草の「トウキ(当帰)」の研究を行っています。この薬草の使用が伝播したことと、それへの反応に関する研究を通じ、東アジアにおける婦人科医療の知識交流の軌跡を遡ろうとしています。
學歷:
國立臺灣大學歷史系學士 (1982)
國立臺灣大學歷史研究所碩士 (1985)
美國西雅圖華盛頓大學歷史系博士 (1992)
經歷:
本所助研究員 (1992.8-1998.2),副研究員 (1998.2-2005.9),研究員 (2005.9-2020.9),特聘研究員 (2020.9- )
本所所長 (2020.3- )
本所副所長 (2011.10-2016.10)
本所人類學門召集人 (2005.9-2007.6)
本所醫療史研究室召集人 (2001.1-2002.7)
本院人文社會科學研究中心合聘研究員 (2011.3.1-2019.2)
國立臺灣大學歷史系兼任副教授 (1993.8-2006.2),兼任教授 (2006.2- )
國立清華大學歷史研究所兼任副教授 (1994.8-2006.2),兼任教授 (2006.2-2007.7)
國立清華大學歷史研究所教授兼所長 (2007.8-2010.7),合聘教授 (2010.9- )
國立臺北大學歷史系合聘教授 (2006.8-2012.7) (2015.8- )
亞洲醫學史學會創會會員暨學會秘書 (2001.7-2008.6)
美國哈佛大學哈佛燕京學社訪問學者 (2002.8-2003.5)
日本京都國際日本文化研究中心外國人研究員 (2003.8-2003.12)
《新史學》編輯委員 (1996.1-12) (2000.1-12),主編 (2001.1-12),社長 (2012.4-2020.12)
本院近代史研究所《近代中國婦女史研究》編輯委員 (1996.8-2018.6)
本所集刊編輯委員(2004.1-2007.6) (2010.10-2016.10 ) (2016.10.27- )
Nan Nü: Men, Women and Gender in China 編輯委員 (2005.1-2011.12)
國立臺灣大學《女學學誌:婦女與性別研究》編輯委員 (2009.5-2018.5)
Asia Major 主編 (2010.8.1-2018.1.10)、編輯委員 (2018.1- )
國家圖書館漢學研究中心《漢學研究》編輯委員 (2012.5-2021.6)
本院人文社會科學研究中心《人文及社會科學集刊》編輯委員 (2013.8.1-2017.7.31)
日本《中國史學》副主編 (2014.10.1- )
Journal of Chinese History 編輯委員 (2015.1-2023.12)
本院出版品委員會委員 (2016.1.1-2019.12.31) , 本院出版委員會委員 (2023.7.4-2025.6.3)